設計士ブログ
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専門家の中でも賛否両論ある遮熱シートの効果。実際の効果はどうなんでしょうか?
NASAが開発とか宇宙空間で何たらとか、訳が分かりません。頭がついていきません^_^
遮熱シートの効果について考える前に
熱が伝わる。又は伝わりにくいとは、どう言う事なのか?を説明します。
前提として、熱の伝わり方は3つしかありません。
「伝導」「放射又は輻射」「対流」。
■伝導
ググってみた所、
固体または静止している流体の内部において高温側から低温側へ熱が伝わる電熱現象。
熱力学第二法則により熱は必ず高温側から低温側に向かう。
訳わかりませんよね汗
簡単に言えば鉄板を太陽の光で熱すると、鉄はめちゃくちゃ熱くなります。手で触ると火傷しますよね?
逆に鉄板を冷蔵庫に入れておくと、めちゃくちゃ冷たくなりますよね?
これが熱伝導。
なので感覚的にも分かると思いますが鉄は熱伝導率が大きい(熱を伝えやすい)
無垢の木は熱伝導率が小さい。
断熱材(グラスウールやウレタン)はもっと熱伝導率が小さくなるので断熱材として使用できます。
ちなみに熱伝導率が0.05w/mK以下の物質を建築業界では断熱材と呼びます。
エイト建築設計事務所での標準仕様である
アクアフォームで0.034w/mk
その他の材料では
高性能グラスウール16kで0.038w/mk
セルロースファイバーで0.04w/mk
ここまでが断熱材と言える物になります。
それでは木材の熱伝導率は?
0.12〜0.2w/mk
ログハウスは暖かいと言われますが、そんなはずないですよね…
木材はアクアフォームより約4倍熱を通しやすい計算になります。
ログハウスの木材が400mmあって、やっとアクアフォームの100mm厚と同等になります。
なので床材にはタイル(1.3w/mk)やコンクリート(1.6w/mk)を使用するより木材(無垢フロア約0.12w/mk)を使用した方が熱は伝わりにくくなります。
これは感覚的にも分かると思います。
■放射又は輻射
熱伝導は感覚的にわかりやすいです。
鉄板の一方を火であぶると、直接、火で加熱されていない反対側も熱くなる。
鉄板を熱が伝導してきたからです。
物質(木材や鉄など)がなければ、熱伝導は生じない。
だから、真空の宇宙空間を通って地球に到達する太陽の熱は、熱伝導でも後述する対流でもなく
放射(又は輻射)になります。
例えば、熱くなったフライパンに手をかざすと直接触れなくても熱を感じる。
これは空気が対流してフライパンから手に熱を伝わったのでもなく、ましてや触れてもいないので伝導でもない。
この現象が放射(輻射)になります。
対流や伝導は物質がないと生じないが、放射は物質があってもなくても起こる現象です。
実は、この放射の正体は電磁波になります。
電磁波だから、真空(真空断熱材は0.0025w/mkと一般の断熱材とは一桁違う)状態が何万キロもあるのに熱を伝達できてしまう。(真空断熱材の厚みが何万キロメートルもある状態)
太陽光を浴びると熱を感じる。
これはフライパンから熱を感じるのと同様で、太陽からの放射(輻射)を受けているから
ということになります。
■対流
一定の熱を持った気体の塊や液体の塊が移動した結果、熱も移動していくことを対流と呼びます。
例えばエアコンを稼働させると対流(風又は気流)が発生します。暖められた(冷やされた)風が人に熱を伝えます。
熱の3つの伝わり方「伝導」「放射」「対流」がある、ということが理解できたかと思います。
遮熱シートは、どの程度熱の移動を抑えれるか?
続く