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2026/11/07

後悔しない間取りの決め方 ― エイト建築設計事務所の「間取り作成基準」

後悔しない間取りの決め方 ― エイト建築設計事務所の「間取り作成基準」 画像

こんにちは。和歌山県日高郡みなべ町を拠点に、田辺市・御坊市・日高郡・西牟婁郡などで、新築注文住宅やリフォーム・リノベーションを手がける、エイト建築設計事務所です。

高気密・高断熱の快適な住まいと、家事がしやすい間取りをご提案しております。

打合せの中で、「間取りはデザインの好みで決めるもの」と思っている方が多くいらっしゃいます。もちろん見た目や使いやすさも大切ですが、エイト建築設計事務所では、間取りを決める前に確認しておきたい基準をいくつか持っています。今回は、その基準を順番にご紹介します。

1. 間取りは「図面」からではなく、まず周辺環境と影から考えます

私たちは、間取りを図面の形から考えることはしません。まず、周辺の建物を図面に落とし込み、冬至に一番影になる時間が少ない場所を確認します。そのうえで、リビングなど家族が長い時間を過ごす部屋を、その場所に配置します。

周辺の建物を図面に落とし込み、現地でも確認し、等時間日影図を作成してから、陽当たりの良い場所にリビングや居室を配置する順番の図

影のかかり方は、現地でも確認したうえで、等時間日影図を作成して読み取ります。こうした手順を踏むことで、同じ土地でも、暮らしやすい日当たりを生かした間取りになります。

2. 「直下率」を意識する理由

間取りを考えるうえで、もう一つ大切にしているのが「直下率」です。1階と2階の壁・柱のラインがそろっていないと、耐震等級3を取得しても建物として強くなりにくく、構造材の断面積を大きくする必要が出てくるため、建築費が増えやすくなります。

1階と2階の柱と壁のラインがそろっている場合と、ずれている場合を比べたイメージ図

エイト建築設計事務所では、柱の直下率50%以上、壁の直下率60%以上を目安にしています。ただし、これは大きく外さないための目安であり、絶対的な数値ではありません。デザインや暮らし方の希望に応じて、この目安を踏まえながら最適な間取りを一緒に考えていきます。

3. 収納率・子供部屋・LDKの広さの目安

間取りを検討する際、数字の目安があると比較しやすくなります。エイト建築設計事務所では、次のような社内の目安を持っています。

  • 収納率は12%以上が好ましい
  • 子供部屋は4.5帖を推奨(予算が厳しい場合は、3帖でもベッドと机は配置できます)
  • LDKは、ソファとダイニングを置く場合、16帖がギリギリの広さ

これらはあくまで目安であり、ご家族の人数や暮らし方、ご予算によって調整しています。

4. 弊社が譲らない間取りのルール:玄関を開けて正面にトイレの入口はNGです

エイト建築設計事務所の間取り作成ルールとして、玄関を開けて目の前にトイレの入口があるプランは、完全にNGとしています。

玄関ドアの正面にトイレの入口がある配置はNG、玄関に面さない廊下側に入口を設ける配置が弊社の基準であることを示すイメージ図

理由は、来客時に気まずい思いをしやすいこと、音やにおいが玄関に伝わりやすいこと、トイレから出たときに郵便屋さんや来客と鉢合わせしやすいこと、そしてそもそも玄関を開けて正面に配置する必要がないことです。

正面でなくても、玄関に面した位置に入口があると、同じように鉢合わせしてしまいます。そのため、トイレの入口は玄関に面さない位置に設けています。小さなことに思われるかもしれませんが、暮らし始めてから「ここが気になる」と感じやすい部分なので、設計の段階でしっかり避けるようにしています。

5. 窓の配置も「間取り作成基準」の一部です

窓の配置も、間取りと一体で決めている基準の一つです。南面の日射取得や、庇とアウターシェードを使った夏の日射遮蔽については、以前の記事「冬の快適さは『窓まわり』で変わる?」で詳しくご紹介していますので、気になる方はそちらもご覧ください。

東西北面の窓は各部屋1面につき0.5平方メートル以内で遮熱Low-E、南面は引違い窓またはFIX窓で大きくとり日射取得型の断熱Low-Eとする基準を示した平面イメージ図

ここでは、間取りと合わせて決めている、窓に関する基準をご紹介します。

  • 窓の種類は、すべり出し窓・縦すべり出し窓・ドレーキップ(ツーアクション)窓・FIX窓を基本とします。引違い窓は南面だけに使います。東西北面には、引違い窓を使う理由がないためです。上げ下げ窓は使いません。
  • 南面の窓は、引違い窓またはFIX窓で、できるだけ大きくとります。アウターシェード・バルコニー・庇で夏の日射をしっかり遮り、ガラスは日射取得型の断熱Low-Eを使います。
  • 東西北面の窓は、各部屋1面につき0.5平方メートル以内を基本とし、ガラスは遮熱Low-Eを使用します。
  • 東西北面でも、眺望や風の通り道(ヌケ)など理由がある場合は、アウターシェードを併用することを条件に、大きな窓を検討します。見た目だけのために大きな窓を作ることはしません。
  • 冬季に日射取得が見込みにくい敷地では、2階リビングのご提案や、吹抜けを設けて採光(日射取得)を確保するご提案をすることがあります。
  • 水まわりや玄関を含め、各部屋は日中、電気をつけなくても過ごせるよう、窓の配置を最低限確保しています。
  • 通風のための勝手口ドアは、断熱・気密の性能が落ちやすいため、強いご希望がある場合のみオプションとしてご採用いただいています。

間取りは、暮らしと家族を想って決めるものです

ご紹介した基準は、デザインの自由度を狭めるためのものではありません。周辺環境や影の読み方、直下率、収納や部屋の広さ、玄関とトイレの関係、窓の配置まで、一つひとつに理由があります。

エイト建築設計事務所では、これらの基準を踏まえながら、ご家族の暮らし方やご希望に合わせて間取りをご提案しています。間取りづくりで迷われている方は、ぜひ打合せの中でお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

永岡 栄一エイト建築設計事務所 代表/2級建築士

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