設計士ブログ
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こんにちは。和歌山県日高郡みなべ町を拠点に、田辺市・御坊市・日高郡・西牟婁郡などで、新築注文住宅やリフォーム・リノベーションを手がける、エイト建築設計事務所です。
高気密・高断熱の快適な住まいと、家事がしやすい間取りをご提案しております。
家づくりをご検討される際、間取りやインテリア、断熱性能や耐震性能にはじっくりこだわられる方が多いと思います。一方で、「シロアリ対策(防蟻処理)」について詳しく調べたことがある方は、意外と少ないのではないでしょうか?
「シロアリ対策なんて、どこで建てても建築基準法で決められた薬を撒いてくれるんじゃないの?」
実は、そう思われがちなシロアリ対策こそ、住宅の寿命とご家族の健康を大きく左右する極めて重要なポイントなのです。
エイト建築設計事務所では、全棟の標準仕様としてホウ酸による防蟻処理工法「ボロンDEガード®」を採用しています。
なぜ、数ある防蟻処理の中からホウ酸を選び、標準仕様にしているのか?
その最大の理由は、私たちが採用している「基礎断熱工法」と「ご家族の健康・空気の安全性」にあります。
今回は、建築のプロの視点から、基礎断熱住宅においてなぜホウ酸防蟻が絶対条件なのか、そして従来の農薬系薬剤との決定的な違いをわかりやすく解説します!
📌 今回のポイント
現在、高気密・高断熱住宅で主流となっているのが「基礎断熱工法」です。エイト建築設計事務所でも、冬場の底冷えを防ぎ、一年中快適な温熱環境をつくるために基礎断熱を標準採用しています。
しかし、この基礎断熱を採用する場合、防蟻剤の選び方に細心の注意を払わなければならない理由があります。それは、従来の「床断熱」と「基礎断熱」では、床下空間の空気の扱いが根本的に異なるからです。
基礎断熱が標準仕様である弊社では、床下に設けたエアコン(床下エアコン)の暖かい空気を、床面の吹き出し口(ガラリ)を通じて家全体に循環させることがよくあります。
つまり、「床下に充満している空気は、ご家族が毎日呼吸しているリビングの空気そのもの」なのです!
一般的な住宅で広く使われているのは、合成殺虫剤(有機リン系やネオニコチノイド系、ピレスロイド系など)と呼ばれる化学農薬です。
これらの農薬系防蟻剤の最大の特徴は、「成分が空気中に揮発(蒸発)する」ということです。床断熱であれば床下が外気とつながっているため薬剤が外に逃げやすいですが、床下が室内とつながっている基礎断熱で農薬系薬剤を使うとどうなるでしょうか?
床下で揮発した殺虫成分や化学物質(VOC)が、スリットやガラリを通って室内のリビングや寝室にダイレクトに流れ込んでしまいます。
特に、床面に近い場所で過ごすハイハイ期の赤ちゃんや小さな子ども、愛犬・愛猫などのペットは、揮発した重い化学成分を真っ先に吸い込んでしまいます。これが原因で、シックハウス症候群やアレルギー、化学物質過敏症、頭痛などを引き起こすリスクが懸念されているのです。
だからこそ、床下の空気がそのまま室内へ届く基礎断熱住宅において、「空気中に一切揮発・飛散しない無機物のホウ酸」を選ぶことは、安全上絶対に譲れない必須条件なのです。
防蟻剤には大きく分けて「従来の農薬系薬剤」と「ホウ酸」があります。両者の違いを比較してみると、安全性だけでなく、効果の持続性や将来かかる費用にも大きな差があることがわかります。
農薬系薬剤は合成殺虫剤(化学農薬)であり、揮発性があるため空気中に化学成分が漂います。一方、ホウ酸は海水や自然界の鉱物(ホウ酸塩鉱物)から精製される「天然の無機物」です。鉱物(石や塩のようなもの)なので、気化・蒸発・揮発することが物理的に一切ありません(VOCゼロ)。
農薬系薬剤の有効期間はわずか「約5年」です。揮発・分解して成分が消えてしまうため、5年が経過すると防蟻効果は完全になくなります。
しかも大きな問題は、「壁の中や柱の上部は、新築後には二度と再散布できない」ということです。床下に潜って土台に吹き付け直すことはできても、壁で塞がれた柱や筋交いは無防備な状態になってしまいます。
対してホウ酸は、無機物であるため紫外線や年月の経過によって分解することがありません。雨水で直接洗い流されない限り、効果は半永久的に持続します。
新築時に構造材(土台・柱など)へしっかりとホウ酸を含浸・定着させておけば、5年ごとの再施工に何十万円も払い続ける必要がなく、壁の中の見えない構造材も一生涯守り続けることができます。(保証継続には5年ごとの点検が(有料点検)が必要)
「シロアリを撃退できるくらい強力なら、人やペットにも危ないんじゃないの?」
そう疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、ホウ酸が「人に優しく、シロアリに劇的に効く」秘密は、生物の身体の仕組み(代謝機能)の違いにあります。
人間や犬・猫などの哺乳類には、血液をろ過して老廃物を体外に出す「腎臓」が備わっています。もし万が一、空気中の埃などと一緒に微量のホウ酸が体内に入ったとしても、腎臓の働きによって尿とともに速やかに体外へ排出されます。体内に蓄積されることはありません。
急性毒性のレベルとしては、私たちが毎日口にしている「食塩(塩)」と同等程度です。古くから目薬やコンタクトレンズの保存液、胃腸薬、入浴剤などにも幅広く使われてきたことからも、その安全性の高さがおわかりいただけると思います。
一方、シロアリやゴキブリなどの昆虫には「腎臓」がありません。ホウ酸処理された木材をシロアリがかじって体内に入れると、ホウ酸を体外へ排出できずに体内にどんどん蓄積していきます。
すると、細胞のエネルギー代謝(ATPの生成)が完全にストップしてしまい、シロアリはエネルギーを作れなくなって死滅(餓死のような状態)します。
また、シロアリには「仲間にエサを口移しで分け与える習性(栄養交換)」があるため、ホウ酸を含んだ木材を食べたシロアリを通じて、巣の中の仲間や女王アリへも効果が広がり、巣ごと駆除することができます。
さらに、化学農薬と違って生物の物理的なエネルギー代謝を止める仕組みであるため、薬剤に耐性を持つ「耐性シロアリ」が生まれることも絶対にありません。
エイト建築設計事務所で採用している「ボロンDEガード®工法」(日本ボレイト株式会社)は、単にホウ酸を木材に吹き付けるだけの簡易的な工事ではありません。
基礎断熱住宅の弱点を徹底的に研究し、シロアリの侵入経路を物理的・化学的に遮断する責任施工システムです。
シロアリは、わずか0.6mmの隙間があれば侵入してきます。特に基礎断熱住宅で弱点となりやすいのが、基礎コンクリートを貫通する給排水管のまわりや、コンクリートの打ち継ぎ部分、セパレーター金具の貫通穴などです。ボロンDEガード®工法では、こうした隙間すべてにホウ酸配合の防蟻気密パテやシーリング材を充填し、侵入ルートを物理的に完全遮断します。
万が一、一次防蟻を突破されたとしても建物自体を守れるよう、土台・大引・柱・間柱・筋交いなどの構造木部に、高濃度のホウ酸水溶液を加圧噴霧します。木材のセルロース深くまでホウ酸が浸透するため、木材自体がシロアリにとって「食べられない木」へと変化します。
現場での施工は、日本ボレイトが認定した専門技術者「ホウ酸施工士®」が責任を持って行います。施工箇所の厳格なチェックと写真管理が行われ、新築時の施工保証(最長15年保証、定期点検による延長保証制度など)が付帯するため、将来にわたって安心が続きます。
日本の在来種である「ヤマトシロアリ」や「イエシロアリ」は、主に地中から湿った床下を通って上がってきます。しかし近年、和歌山県内を含む日本各地で深刻な被害をもたらしているのが、外来種の「アメリカカンザイシロアリ(乾材白蟻)」です。
アメリカカンザイシロアリは、地中からではなく、羽アリとなって空から飛来し、2階の窓枠や軒下、屋根裏の乾燥した木材に直接侵入・営巣するという非常に厄介な特徴を持っています。
従来の「床下から1mの高さまで農薬を撒く」という昔ながらの防蟻処理では、屋根裏や2階に飛んでくるカンザイシロアリを一切防ぐことができません。
ボロンDEガード®工法では、必要に応じて屋根裏や小屋組みを含む全構造材へのホウ酸処理(オプション)を行うことが可能です。無機物で半永久的に留まり続けるホウ酸だからこそ、空から飛来する新たな外来シロアリの脅威からも、大切な住まいを長期にわたって守り抜くことができます。
住宅の性能を語るとき、耐震等級や断熱等性能等級(Ua値)、気密性能(C値)といった数字に注目が集まりがちです。
もちろんそれらも極めて大切ですが、「その頑丈な構造を何十年先までシロアリから守り続けられるか」「密閉された高気密空間の中で、家族が吸う空気は本当に安心か」という点も、同じくらい住まいの根幹を支える大切な要素です。
基礎断熱工法によって足元から暖かい心地よい暮らしをお届けするからこそ、床下の空気環境には妥協しない。それが、エイト建築設計事務所がホウ酸防蟻「ボロンDEガード®」を標準仕様に選んでいる理由です。
「新築時のシロアリ対策についてもっと詳しく知りたい」「基礎断熱の心地よさや空気感を体感してみたい」という方は、ぜひお気軽にエイト建築設計事務所へご相談くださいね。
※「ボロンDEガード®」「ホウ酸施工士®」は日本ボロン株式会社の登録商標です。
※防蟻保証の詳細や施工範囲については、建物プランや仕様により異なります。詳しくはお問い合わせください。